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レチノールとは? 肌にもたらす働きや使い方、注意点など【トレンド美容成分】

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TERACOYA 編集部

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注目の美容成分「レチノール」。抗シワ、シミ対策、肌のハリ・弾力ヘアのアプローチなどを目的に、多くの化粧品や医薬部外品に配合されていますが、どんな作用を持つ成分なのか。効果を発揮するスキンケアでの使い方や、ビタミンA反応や皮むけなどの症状についてなど解説します。

目次

注目の美容成分「レチノール」。抗シワ、シミ対策、肌のハリ・弾力ヘアのアプローチなどを目的に、多くの化粧品や医薬部外品に配合されていますが、どんな働きを持つ成分なのか。効果を発揮するスキンケアでの使い方や、ビタミンA反応や皮むけなどの症状について解説します。

レチノールの4つの作用や性質、配合目的

レチノール(Retinol)はビタミンAの一種で、2017年に資生堂が「純粋レチノール」で“しわを改善する”効能効果の承認を厚生労働省から得たことで、その名前が広まりました。レチノールには肌のターンオーバーを促進して皮膚の再生を促す、真皮に働きかけてコラーゲンやヒアルロン酸を増やすなどの作用があります。

また、レチノールは種類によって性質が異なります。レチノール(純粋レチノール)は熱や光、空気、酸などに非常に不安定な成分ですが、パルミチン酸レチノールや酢酸レチノールは安定性を高め、皮膚刺激性を低減させた“安定型ビタミンA誘導体”で、多くの化粧品に配合されています。

レチノール群が美容成分として期待される効果は次の4つ

■肌のハリ・弾力
肌のコラーゲンとヒアルロン酸生成、またターンオーバーを促進することで、肌のハリや弾力を改善する効果が期待できます。

■抗シワ作用
肌のターンオーバーとヒアルロン酸生成を促進することで肌の水分量を増やし、真皮のコラーゲン密度を高めてシワを改善する効果が期待できます。日本の厚生労働省によって「シワの改善につながる」と承認されたのは資生堂の純粋レチノールのみです。

■シミ対策
紫外線によるシミの対策効果も期待できます。紫外線を浴びると、表皮のメラノサイトがメラニン色素を生成し、それが滞留することで色素沈着としてシミがあらわれます。レチノールは肌のターンオーバーによってメラニンの排出を助け、今後肌にあらわれるシミを対策する効果が期待できます。

■ニキビ、ニキビ対策
シミ対策と同様に、肌のターンオーバーを促進することによりニキビ跡の修復をサポートする効果が期待できます。またターンオーバーが乱れて古い角質が溜まるとニキビの原因となるため、ターンオーバーを整えることで、できてしまったニキビの対策としての効果も期待できます。

スキンケアの順番は?

ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、使う順番は一般的には、乳液やクリームを使用したあとです。ただし、化粧水や美容液にレチノールが配合されている場合は、洗顔後または化粧水を塗布したあとに使用するなど、商品によって定められた使い方をしてください。

レチノールは朝と夜、使用してもいい?

レチノールは不安定な成分のため、朝に塗っても日中受ける紫外線や日光、空気によって成分の効果が得られにくくなります。そのため夜のみ使用するのがベストです。

肌が敏感な人にもレチノールは使える?

レチノールは副作用が現れる場合もある成分のため、レチノール類を配合した化粧品での肌トラブルの経験がある人や、敏感肌の人は注意が必要です。対策としては配合レチノールの種類や濃度をチェックして刺激性が低いものを選択すること、使用前のパッチテストを行うこと、またレチノールを配合した製品同士の併用は慎重に行うことなどが挙げられます。

レチノール配合化粧品の保管方法

レチノールは熱や光、空気、酸などに影響を受ける不安定な成分のため、紫外線や光を避けて保管し、開封後は早めに使い切ることを目指しましょう。安定性の低いレチノール配合の製品には、空気や熱を遮断するボトルやパッケージを採用しているものもあり、長く使うにはパッケージも含めて選ぶのもよいでしょう。

ビタミンA反応とは?レチノール配合化粧品によって引き起こされる症状

レチノールは化粧品に配合することが認められた安全な成分ではありますが、使う際に注意すべき点ももあります。「ビタミンA反応(レチノール反応・レチノイド反応)」という言葉を耳にしたことはありませんか?

ビタミンA反応はレチノールによる肌の過剰反応のことで、ヒリヒリとした刺激感や、皮むけやかゆみ、乾燥、赤みなどの症状があります。多くの場合は肌のビタミンAが不足している使い始めに起こり、使い続けるうちに肌にビタミンAが貯蔵されて症状が収まります。化粧品に配合できるレチノールの濃度は高くないので、強力なビタミンA反応を起こすことは多くありません。

ただし、ビタミンA反応ではなくても、肌に合わずに異常を起こしている場合もあるため、違和感を感じたら使用をやめて、早めに医療機関へ相談してください。


取材・文/臼井杏奈(産経新聞社を経て、INFASパブリケーションズに入社。WWD BEAUTYの美容業界記者として外資系ブランド担当およびビューティーテック、アジア市場、スタートアップ、新興市場などを担当。現在はフリーランスとして活動。韓国・中国コスメや美容市場のトレンドに精通している)

<参照>
化粧品成分オンライン
・ピュアレチノール https://cosmetic-ingredients.org/anti-aging-agents/2702/
・パルミチン酸レチノール https://cosmetic-ingredients.org/cell-activator/2703/
2017年 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000168007.html
資生堂 https://www.shiseido.co.jp/elixir/advanced/products/wrinklecream/

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